11月6日(水) 上関原発用地埋立禁止住民訴訟の第一審の判決を、山口地裁から言い渡された。
裁判長は判決主文だけを読み上げると、さっさと退廷した。違法な支出について、県庁は知事に返還請求をせよ、という当方からの請求を、判決は3つに分割し、2つを却下、1つを棄却とした。却下とは審理には及ばないと言うこと、すなわち門前払いであり、棄却とは審理はしたが認めないということである。
判決文を見ると、前記の理由を一通り記した後に、ご丁寧に、知事の前段行為が違法だとしても判決は変わらないことが記されていた。理由は判決の正当化を図るためであり、裏を返せば自信のなさの現れであろう。ここで言う前段行為とは上関原発建設のための公有水面の埋立工事について、全く工事が進められない中電に対して、中電のいうがままに知事が埋立免許を延長し続けていることである。特に当方原告が強調したのは、知事が埋立免許延長を許可すると同時に、埋め立てしないようにとの要請を中電に行っていること、そしてそれを中電が了承していることである。言わば片方で、今度こそ期間内に埋立工事を完了させるという約束をしておきながら、他方で最初から約束が不履行となる事をしているのである。知事と中電だけで猿芝居をするのは勝手なのであるが、問題は、約束の対象が公有水面という国の財産であることである。すなわちそれは、国民市民全体の財産であり、従ってその約束は、知事と中電の間の約束に留まらない、公的な意味を持つものであるから、国民市民との約束でもある。故に公有水面埋立法という法律があり、海を埋め立てて半永久的に占有するには様々な条件が課せられているのであり、竣功期限はその一つであり、それはその事業が確かなものであることの保証なのである。
しかし判決はこの点を全く顧みることなく、つまり原告の主張を聞くことなく、被告が主張してきた、免許権者である知事と、埋め立てないようにとの要請をした知事とは、別の立場であるという詭弁をそのまま採用し、こう述べている。要請は「当該処分の効力等に影響を及ぼす何らかの条件とみることはできず」と。しかし、真実は、埋立工事が進まないのは、他でもない要請の故である。
ところがそれを中電は、恣意的に埋め立てられない理由から外して、別途、祝島島民の責任に転嫁しており、知事も中電から出された理由のみを理由とし、延長許可の審査と許可をしたのであるが、裁判所さえもがこの猿芝居を一緒に演じたと言うことである。
当然、わたしとしては控訴すべきと考えるが果たしてどうなるか。原告弁護士の会議は11月13日(水)である//
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