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牧師だより ─ 其の九十三 ─

2023年2月8日

岩国市長 福田 良彦 様

日本基督教団 西中国教区 

靖国天皇制問題特別委員会

委員長 松本 朋久

(連絡先)〒755-0031宇部市常盤町1-1-9

日本基督教団 宇部緑橋教会内 小畑太作


旧海軍第六潜水艇慰霊祭に関する質問(5)


 この件に関して、本年1月31日付の回答書を頂きましたことに感謝いたします。しかしながら、その内容は、あまりに不誠実というべきものでした。

 わたしたちは、本年1月16日の質問と要望書において、この件について、岩国市並びに岩国市教委が憲法違反行為に及んでいることを指摘しているのですが、福田市長は回答書において、その指摘を全く無視されています。恣意的であると思わざるを得ません。わたしたちはこの回答に、精神的苦痛を覚えました。従って、これ自体が憲法第17条に該当するものと考えます。

 福田市長におかれましては、この点を重々反省し、既に指摘している三項目の違憲行為について、ご自身の見解をご回答下さい。ご回答は、2月20日迄に、まとめることなく各項目別に文書にてご回答下さい。

 改めて下記に市長の違憲行為を掲載します。なお、この度の回答書に鑑みると補足説明を要すると思われますので、若干補足追記しています。


  1. 「慰霊祭」は、宮司により司られている神道儀式です。従ってこれに、公有地及び公共施設を提供することは、憲法第20条全てに違反します。

  2. 報道によれば、「奉賛会」には地元自治会が加盟しているようですが、自治会は宗教活動を行うことを目的としていないこと、公金を受領していることから、憲法第20条第2項に違反する行為です。当然、その事を承知で、是正指導をすることなく公金を支出し続けた市長の行為も憲法第20条第2項並びに第3項に違反します。

  3. 「慰霊祭」は、故 佐久間勉艇長をはじめ、元乗組員を顕彰していますが、この行為は歴史の事実を逸脱した、歴史のねつ造とも言うべきものです。そもそもわたしたちは、軍事行動を是としない立場ですが、佐久間艇長の沈没に至る指示及び沈没後の対応は、艇長として為すべき行為に対する逸脱であり背任です。この事は、戦後、自衛隊による論文においても論証されているところです。こうした歴史のねつ造を、公有地、公的教育施設で行うこと、またそれを支援し幇助することは、教育基本法第1条並びに第2条に違反する行為です。また、憲法前文並びに憲法9条に違反する行為です。

以上

 
 
 

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