10/25(火) 上関町長選挙を経て、中国電力(株)が山口県知事に、上関原発建設のための同町田浦湾の埋立免許の伸長申請を提出したことが報じられた。加えて同社は同日、祝島島民を被告とし提訴したとも報じられた。
報道によれば、埋立工事は3年であるが、調査に6ヶ月、祝島島民との紛争調整に11ヶ月を加え、4年5ヶ月の免許延長を、という申請内容とのこと。そして、これを受けて山口県知事は、「公有水面埋立法に従って、厳正に審査していく」とコメントした。
知事の相変わらずの県民をバカにしたコメントにはうんざりする。何故ならば、厳正に審査などしてこなかったし、この度も、公有水面埋立法によれば免許に値しないことは明白だからである。すなわち、「調査」も「調整」も、埋立免許以前の事柄なのである。
調査を要するのは、東日本大震災後の新たな安全基準を担保する必要が生じたからであり、紛争解決が必要なのは地元民の同意が得られていないからである。公有水面埋立法にはこうある。「第四条 都道府県知事は埋立の免許の出願左の各号に適合すと認むる場合を除くの外埋立の免許を為すことを得ず 一 国土利用上適正且合理的なること 二 其の埋立が環境保全及災害防止に付十分配慮せられたるものなること」。つまり、福島原発事故により生じた追加調査の必要は、最早、当該埋立免許の要件を欠いていることを意味する。同法は続けてこう述べる。「三 埋立地の用途が土地利用又は環境保全に関する国又は地方公共団体(港務局を含む)の法律に基く計画に違背せざること」。これについても周知の通り、事故後、原発の新増設は国の計画にはない。そしてその海域の権利者についてはこう条件付けている。「一 其の公有水面に関し権利を有する者埋立に同意したるとき」。
認識すべき事は、申請自体が、免許要件を満たしていないことを表していると言うことである。「調査」も「調整」も埋立免許期間に入れられるものでなく、それ以前に為しておくべきものなのである。従って、論理的帰結はこうなる。「一旦免許は失効となる。それ以前に必要な『調査』と『調整』を終えたら、改めて申請するように」と。
知事のコメントは、自らに道理がないことを既に表しているというわけである。そしてそれを監督すべき国土交通大臣は看過するだけである。片や同大臣は、辺野古については、同じく公有水面埋立法による知事の判断を覆している//
「真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。」
ヨハネ17:17
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