top of page

牧師だより ─ 其の百四 ─

 7/24㊊ 山口県教育庁より郵便が届いた。厚さから予想したとおり開封すると「決定期間延長通知書」であった。先頃、相談を受けた防府天満宮「御誕辰祭」の一部を、県と市の教育委員会が後援した問題について、県教委が各市教委及び防府天満宮とやり取りした関係文書の公開請求を掛けていたところ、その開示決定を二週間延長するというのだ。理由には「開示内容について第三者照会を行うため」とある。つまりそこには、やはり防府天満宮からの文書が含まれているということである。

 情報を寄せてくれたのは、ある公立小学校に子どもを通わせる保護者であった。曰く、学校から同祭の奉納清書展(要するに書道コンクール)への出展要請が来ているが、神社の祭だから公立学校が募集するのはいいのでしょうか、と。当然、明白に政教分離原則違反である。

 調べてみると、同神社もやはり、祭神は菅原道真だけではなく、天皇絡みも祀っている。そもそも、天満宮は菅原道真を学問の神として祀っていると言うが、祀ったのは菅原を殺した政敵である。つまりは、人殺しの正当化の装置というのがその真実であり、その思想と仕方は、靖国神社や護国神社と同質である。つまりここにも、単に政教分離原則違反を超えた、本質的な問題が横たわっているのであるが、そこに人々が平気で参拝しているという有り様が、グロテスクに見えないところが恐ろしい。もっともそれは、自分の勝利と他者を蹴落とすことを祈願するのだから、相応しい光景であるとも言える。

 こうした有り様が、野蛮な時代であった、として過去になるのはいつなのだろうか。しかし、必ずその日が到来することを信じて、今年も明日からの政教分離訴訟全国交流集会に参加する。(7/27㊍記)


「その日には、誇る者は卑しめられ/傲慢な者は低くされ/主はただひとり、高く上げられる。」 イザヤ2:17

 
 
 

最新記事

すべて表示
牧師だより ─ No. 304(『反戦情報』より)

〜〜〜前号の続き ●「神道指令」による靖国神社等への訪問禁止  敗戦当時には、軍国主義・天皇崇敬体制を浸透させたこれらの宗教施設の解体論もあったが、結局「象徴」の語を付けた天皇制と共に存続することとなった。いわば新たな主権者への将来の課題とされた訳である。...

 
 
 
牧師だより ─ No. 303(『反戦情報』より)

山口県教委曰く「靖国神社や護国神社への訪問は平和教育の『きっかけ』になる」 小畑太作(日本基督教団西中国教区靖国天皇制問題特別委員会委員) ●山口県副教育長の発言  2024年6月、山口県議会定例会において県副教育長が次のように答弁した。「教育活動の一環として、児童生徒が、...

 
 
 
牧師だより ─ No. 302

2/12(水) 山口地裁で山口県知事護国神社公務参拝違憲訴訟の第10回口頭弁論が開催された。  当方原告は、「英霊」は特定宗教の用語であることを中心とした準備書面を陳述した。と言っても、書面主義の日本の裁判では、事前に提出している準備書面を陳述したことを確認するのみであるが...

 
 
 

Comments


© CopyRight 宇部教会 All Rights Reserved.

  • facebook
  • Twitter Square
bottom of page